2026年4月の給与計算で変わること総まとめ|保険料率改定・支援金新設・所得税改正
2026年4月は、給与計算に影響する複数の制度変更が同時に行われました。健康保険料率の改定、子ども・子育て支援金の新設、そして源泉所得税の計算方法の変更です。
本記事では、中小企業の給与計算担当者が押さえておくべき変更点を一覧でまとめて解説します。
2026年4月の3大変更点
| 変更内容 | 適用開始 | 影響 |
|---|---|---|
| ①健康保険料率・介護保険料率の改定 | 2026年3月分(4月納付) | 保険料額の変更 |
| ②子ども・子育て支援金の新設 | 2026年4月分(5月納付) | 新しい控除項目の追加 |
| ③源泉所得税の計算方法の変更 | 2026年1月分~ | 税額表・扶養親族の数え方の変更 |
①健康保険料率・介護保険料率の改定
協会けんぽの健康保険料率
2026年度(令和8年度)の協会けんぽの健康保険料率は、全国平均で9.90%(前年度10.00%から0.10ポイント引き下げ)に改定されました。
47都道府県のうち、40都道府県で引き下げ、7県で据え置きとなりました。引き上げとなった都道府県はありません。
据え置きとなった7県
青森県、秋田県、山形県、栃木県、神奈川県、島根県、沖縄県
主な都道府県の保険料率
| 都道府県 | 2025年度 | 2026年度 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 10.29% | 10.16% | ↓0.13 |
| 東京都 | 9.98% | 9.91% | ↓0.07 |
| 愛知県 | 10.02% | 9.93% | ↓0.09 |
| 大阪府 | 10.29% | 10.22% | ↓0.07 |
| 福岡県 | 10.35% | 10.22% | ↓0.13 |
| 新潟県(最低) | 9.33% | 9.21% | ↓0.12 |
| 佐賀県(最高) | 10.60% | 10.55% | ↓0.05 |
全都道府県の保険料率は協会けんぽの保険料額表で確認できます。
介護保険料率
40歳以上65歳未満の被保険者に適用される介護保険料率は、1.62%(前年度1.59%から0.03ポイント引き上げ)に改定されました。
適用開始時期
健康保険料率・介護保険料率の改定は、2026年3月分(4月納付分)から適用されます。翌月徴収の会社では、4月支給の給与から新しい保険料率が適用されます。
②子ども・子育て支援金の新設
2026年4月から、新たに「子ども・子育て支援金」の徴収が開始されました。少子化対策の財源確保のため、健康保険制度を通じて徴収されます。
支援金率
2026年度の支援金率は全国一律0.23%です。労使折半で負担します。
計算例(標準報酬月額30万円の場合)
- 支援金月額:300,000円 × 0.23% = 690円
- 従業員負担:345円 / 事業主負担:345円
適用開始時期
子ども・子育て支援金は2026年4月分(5月納付分)からの適用です。健康保険料率の改定(3月分から)とは1か月ずれている点に注意してください。
詳しくは「子ども・子育て支援金とは?給与計算での対応方法をわかりやすく解説」をご覧ください。
③源泉所得税の計算方法の変更
2026年(令和8年)分から、所得税の計算に関わる以下の改正が適用されています。
給与所得控除の最低保障額の引き上げ
給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。これにより、いわゆる「103万円の壁」は123万円に引き上げられています(基礎控除48万円+給与所得控除65万円=113万円。さらに基礎控除の特例10万円を加えて123万円)。
特定親族特別控除の創設
19歳以上23歳未満の親族(大学生世代)について、新たに「特定親族特別控除」が創設されました。
- 対象親族の合計所得金額が58万円以下の場合、従来どおり扶養控除(63万円)を適用
- 合計所得金額が58万円を超えても、123万円以下であれば、段階的に控除を受けられる(最高63万円)
これにより、大学生のお子さんがアルバイト収入150万円以下であれば、親の所得控除が受けられるようになりました。
源泉徴収事務への影響
2026年分の給与に係る源泉徴収税額は、以下の人数をもとに算定します。
- 源泉控除対象配偶者
- 新たな「源泉控除対象親族」(扶養親族の所得要件が48万円以下→58万円以下に変更)
毎月の源泉徴収では、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に基づいて扶養親族等の数を正しく把握する必要があります。
参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁
月別の対応スケジュール
| 時期 | 対応事項 |
|---|---|
| 2026年1月〜 | 新しい源泉徴収税額表を使用開始。扶養親族等の数え方の変更に対応 |
| 2026年3月分(4月納付) | 健康保険料率・介護保険料率の改定を反映 |
| 2026年4月分(5月納付) | 子ども・子育て支援金の徴収を開始。給与明細に項目を追加 |
| 2026年7月 | 算定基礎届の提出(4〜6月の報酬をもとに新しい標準報酬月額を届出) |
| 2026年9月〜 | 定時決定による新しい標準報酬月額の適用開始 |
給与計算担当者のチェックリスト
- ☐ 協会けんぽの新しい保険料率を確認(自社の都道府県の料率)
- ☐ 給与計算ソフトに新保険料率を反映
- ☐ 子ども・子育て支援金(0.23%)の計算設定
- ☐ 給与明細の項目追加(支援金の表示欄)
- ☐ 源泉徴収税額表の更新確認
- ☐ 従業員からの扶養控除等申告書の再確認(特定親族特別控除の対象有無)
- ☐ 従業員への変更内容の周知
まとめ
2026年4月は給与計算に関わる制度変更が集中する月です。特に子ども・子育て支援金は新しい制度のため、給与計算ソフトの対応確認と給与明細への反映が重要です。
それぞれの変更の適用開始月が異なる点にも注意が必要です。
- 健康保険料率・介護保険料率:2026年3月分から
- 子ども・子育て支援金:2026年4月分から
- 源泉所得税の改正:2026年1月分から
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