給与計算は企業経営において欠かせない重要な業務です。このガイドでは、給与計算の基本から実務で必要な知識、計算例まで、体系的に解説します。
給与計算は、支給額の計算と控除額の計算という2つの大きな流れに分かれます。控除のうち社会保険・税金は法令で定められた計算が必要なため、あわせて社会保険手続きガイド、賞与や年末の処理は年末調整完全ガイドもご覧ください。
給与計算の基本
給与計算とは、従業員の労働に対する報酬を計算し、適切な控除を行った上で支給額を算出する業務です。正確な計算が求められるだけでなく、法令に基づいた処理が必要です。
給与計算で必要な情報
- 従業員の基本情報(氏名、住所、扶養家族など)
- 労働時間・勤怠データ
- 基本給・各種手当の情報
- 社会保険・税金の計算に必要な情報
給与計算の用語
- 総支給額 - 基本給と各種手当を合計した、控除前の金額
- 控除額 - 社会保険料・税金・任意控除の合計
- 差引支給額(手取り) - 総支給額から控除額を差し引いた、実際に支払う金額
支給項目について
給与の支給項目には、基本給のほかに様々な手当があります。
基本給
従業員の職務内容、能力、経験などに基づいて決定される基本的な賃金です。
各種手当
- 通勤手当 - 通勤にかかる交通費を支給(一定額まで非課税)
- 住宅手当 - 住居費の補助
- 家族手当 - 扶養家族がいる従業員への支給
- 時間外手当 - 法定労働時間を超えた労働への割増賃金(25%以上)
- 深夜手当 - 22時〜翌5時の労働への割増賃金(25%以上)
- 休日手当 - 法定休日の労働への割増賃金(35%以上)
控除項目について
給与から控除される項目には、法定控除と任意控除があります。
法定控除
- 健康保険料 - 医療保険の保険料。標準報酬月額 × 保険料率(労使折半)
- 介護保険料 - 40歳以上65歳未満の従業員が対象
- 厚生年金保険料 - 老後の年金のための保険料。標準報酬月額 × 18.3%(労使折半)
- 雇用保険料 - 失業時の給付等のための保険料。総支給額 × 料率
- 所得税 - 給与に対する所得税(源泉徴収)。源泉徴収税額表に基づく
- 住民税 - 前年の所得に基づく住民税(特別徴収)。市区町村からの通知額
任意控除
- 社宅・寮費
- 財形貯蓄
- 組合費
- 生命保険料
給与計算の具体例
月給制の従業員を例に、総支給額から手取りまでの計算の流れを見てみましょう(料率は概算。実際の料率は地域・年度で異なります)。
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 基本給 | 250,000円 |
| 通勤手当(非課税) | 10,000円 |
| 総支給額 | 260,000円 |
| 健康保険料(折半後・概算) | -13,000円 |
| 厚生年金保険料(折半後・概算) | -23,790円 |
| 雇用保険料(概算) | -1,560円 |
| 所得税(源泉・概算) | -5,200円 |
| 住民税(通知額・例) | -12,000円 |
| 差引支給額(手取り) | 204,450円 |
社会保険料は標準報酬月額、所得税は源泉徴収税額表、住民税は市区町村の通知に基づきます。これらは定型計算のため、PayBookなら自動計算できます。
月次給与計算の流れ
- 勤怠データの集計
出勤日数、労働時間、残業時間、欠勤・遅刻・早退などを集計します。
- 支給額の計算
基本給に各種手当を加算し、総支給額を算出します。
- 控除額の計算
社会保険料、税金、その他控除を計算します。
- 差引支給額の算出
総支給額から控除合計を差し引いて、手取り額を算出します。
- 給与明細の作成・配布
従業員に給与明細を交付します。
- 振込処理
給与を従業員の銀行口座に振り込みます。
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