労働保険(労災保険・雇用保険)は、労働者を守るための重要な制度です。このガイドでは、労働保険の基本と主要な届出手続きについて解説します。
労働保険の基本
労災保険とは
労災保険(労働者災害補償保険)は、業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡に対して保険給付を行う制度です。保険料は全額事業主負担です。
雇用保険とは
雇用保険は、労働者が失業した場合や、育児・介護休業を取得した場合などに給付を行う制度です。保険料は労使で分担します。
入社時の届出(雇用保険)
資格取得届
従業員を採用したときは、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
| 届出先 | 管轄のハローワーク(公共職業安定所) |
|---|---|
| 届出期限 | 入社月の翌月10日まで |
| 対象者 | 週20時間以上、31日以上の雇用見込みがある労働者 |
退社時の届出(雇用保険)
資格喪失届・離職票
従業員が退職したときは、「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。
| 届出先 | 管轄のハローワーク |
|---|---|
| 届出期限 | 退職日の翌日から10日以内 |
| 添付書類 | 雇用保険被保険者離職証明書(離職票交付が必要な場合) |
離職票が必要なケース
- 退職者が59歳以上の場合(必須)
- 退職者が離職票の交付を希望する場合
- 失業給付を受ける可能性がある場合
年度更新
労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算します。「年度更新」とは、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を申告・納付する手続きです。
| 申告・納付期間 | 毎年6月1日〜7月10日 |
|---|---|
| 届出先 | 労働基準監督署、労働局、または金融機関 |
| 提出書類 | 労働保険概算・確定保険料申告書 |
年度更新の流れ
- 賃金集計表の作成
前年度(4月〜3月)に支払った賃金を労働者ごとに集計します。
- 確定保険料の計算
前年度の賃金総額に保険料率を乗じて計算します。
- 概算保険料の計算
当年度の見込み賃金総額に保険料率を乗じて計算します。
- 申告書の作成・提出
概算・確定保険料申告書を作成し、提出・納付します。
保険料率
労災保険料率
労災保険料率は業種により異なります(2.5/1000〜88/1000)。危険度の高い業種ほど保険料率が高くなります。
雇用保険料率
雇用保険料率は、事業の種類により異なります。
| 事業の種類 | 事業主負担 | 従業員負担 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 9.5/1000 | 6/1000 | 15.5/1000 |
| 農林水産・清酒製造 | 10.5/1000 | 7/1000 | 17.5/1000 |
| 建設 | 11.5/1000 | 7/1000 | 18.5/1000 |
※ 料率は令和6年度(2024年度)のものです。毎年変更される可能性があります。