給与計算ラボ

給与計算の方法、流れ

従業員が退職した時に必要な申告と書類

退職にはさまざまな種類があります

退職する理由はさまざまなものがあります。
疾病、死亡、結婚、出産、育児、転職などの自己都合退職、定年、契約満了による退職、早期退職制度による退職、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇などがあります。
退職理由や従業員のその後の進路によって、いろいろ異なってきますので注意が必要です。

従業員が退社するときは、手続きが必要です

入社時と同様、従業員が退社するときは、さまざまな手続きが必要です。
回収するものはたとえば、

  • 退職届
  • 定期券
  • 健康保険被保険者証、本人および扶養の親族分
  • 社員証
  • 会社の携帯やUSBなど、貸与したもの

などを回収する必要があります。

また交通費の清算なども必要ですし、給料の前借をしている従業員には仮払金の清算も必要です。

また、退職者に渡すべきものは、後日送付で構いません。

  • 源泉徴収票
  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票
  • 年金手帳

を渡します。

雇用保険関係の退職手続き

従業員は雇用保険に加入していますので、退職手続きが必要です。

退職した翌日から10日以内に、雇用保険被保険者喪失届を提出する必要があります。
離職票を必要とされた場合は、雇用保険被保険者離職証明書も必要となります。
ですから退職者に離職票が必要か確認しましょう。
離職票は、退職者が失業手当をもらうために必須の書類ですので、できるだけ早く準備しましょう。
59歳以上の退職者には希望の有無にかかわらず、交付する必要があります。
この雇用保険被保険者離職証明証は、3枚一組の複写式ですので、ダウンロードはできなくなっています。
ハローワークに取りにいくしかありません。
取りに行く際の添付書類として、
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 退職届

などの退職を証明できる書類が必要です。

また本人に自筆で署名してもらう欄がありますので、退職前に事前に作成して記名押印してもらいましょう。

社会保険関係の退職手続き

退職日から5日以内に、管轄の年金事務所に健康保険厚生年金被保険者資格喪失届を提出しましょう。

退職日に回収した健康保険証が必要となります。本人の分だけでなく扶養の親族分も必要です。
資格喪失日は、退職日の翌日となります。

住民税関係の退職手続き

会社が住民税を特別徴収で天引きしていた場合、給与支払い報告に係る給与所得移動届を提出する必要があります。
提出先は従業員が居住する市区町村です。翌月10日以内に行ってください。
退職日によって手続きが異なります。
1月1日〜4月30日の退職:最後の給与または退職金から一括徴収
5月1日〜5月51日の退職:最後の1か月分を徴収
6月1日〜12月31日の退職:普通徴収に変更するか、最後の給与または退職金から一括徴収かを従業員に選んでもらう

退職時の手続きはすみやかに

退職時の手続きはすべて郵送での手続きが可能です。
従業員によって雇用保険の需給時期や金額が変わってしまいますので迅速に対応しましょう。
手続きが誤っていれば大きなトラブルになりかねませんのでご注意ください。迅速かつ慎重な手続きが求められます。

退職金の支給

就業規則に退職金の支給が銘打ってある場合があります。
その場合は退職金を支払う必要があります。
退職金制度は会社の裁量ですので、規定がある場合にのみ支払います。

退職金は老後の生活保障という意味もあり、税制上優遇されています。 ただし退職金を年金形式で受け取る場合は、雑所得としての取り扱いになります。

退職金は分離課税です。退職所得控除を受けることができます。
退職金支給時の源泉徴収は給与の源泉徴収と同様に翌月10日までに納付する義務があります。

退職者には、退職所得の源泉徴収票を作成して渡します。
退職後1ヶ月以内に交付しましょう。 退職者のその後の生活がかかっているお金ですので、迅速に処理しましょう。

健康保険の任意継続

これは会社側は特に手続きが必要ないのですが、今の健康保険を任意で継続することができますので、退職者に選択してもらいましょう。
ただし条件があります。

  • 資格喪失日までに健康保険の被保険者期間が継続2ヶ月以上であること
  • 資格喪失日から20日以内に任意継続被保険者資格取得届証を提出すること

です。特に退職後のあわただしい時期に20日以内の制限がありますので注意するようにしてください、また20日以内と言うのは郵送での書類到着も含みます。
健康保険の任意継続は、傷病手当および出産手当を除いて、在職中に受けられる保険給付と同様の給付を受けられます。

ただし国保に入る場合は、退職時の控除で保険料が安く抑えられる場合が多々ありますので、保険料だけでいうと国保の方が有利である場合があります。
また任意継続を行うと、会社にとっては負担ですので、必ずしも推奨できるわけではありません。

退職時に事務員から説明があるため、有利で会社が推奨しているのかと思って任意継続する退職者も多いので、しっかりと説明してください。

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