給与計算ラボ

給与計算、社会保険と税金の知識

子供が生まれたら給与計算はどうなるの?

従業員の家庭に子供が生まれたら給与計算上大きく二通りの場合があります。ひとつは生まれた子供が御社の従業員の扶養家族になる場合、もうひとつは子供が御社の従業員の扶養家族にならない場合です。

さらに、この二通りはそれぞれまた二通りに分かれます。ひとつは御社の従業員が子供を出産した場合、もうひとつは御社の従業員が夫のほうで子供を出産した本人でない場合です。

ここではまず子供が扶養家族になる場合とそうでない場合について説明し、出産の有無については後で述べることにします。

1、子供を扶養家族としない場合は?

たとえば御社で働いている従業員が妻であり、生まれた子供を夫の扶養家族にするような場合、御社の従業員の扶養家族にはなりません。この場合、扶養家族の増加による給与計算への影響はありません。のちに述べる出産にともなう各種手続きがあるのみです。

2、子供を扶養家族にする場合には?

生まれた子供が御社の従業員の扶養家族となる場合には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出してもらいます。前者は給与計算時の住民税について、後者は健康保険の被保険者に子供を入れるためです。

扶養家族が増えると住民税額に影響しますので、給与計算時の住民税控除額を正しくしなければなりません。そのため扶養控除等(異動)届には、「住民税に関する事項」欄があり、ここに記入が必要です。住民税は役所からの通知される額を給与計算時に控除します。被扶養者が増えればこの金額が変わるわけです。

ただし、住民税は前年の所得について課税されますので、実際に変更になるのは翌年からということになります。ところで1月給与の支給前に子供が生まれたら、毎年の扶養控除異動届は年始にすでに提出されていますから、すぐに再度補正して書き直し、提出してもらう必要があります。

ちなみに、子供を扶養家族にしても給与から源泉徴収する所得税額はすぐには変わりません。平成23年から、扶養家族のうち16歳未満の人については所得税の計算上、扶養親族の数には入れないことになったからです。(これについて、裏を返せば扶養に入っている子供が16歳になったら、従業員に届け出を要請しておくなどして給与計算までに把握する必要があるということです。)

健康保険では、被扶養者となった親族の分についても保険給付がおこなわれます。子供が生まれたら、被保険者としての資格は出生の日から発生します。乳児はなにかと病院にかかることの多いものです。ですが、健康保険被扶養者異動届の提出をして手続きをしなければ、保険証に子供の名前が入りません。

病院で保険証を使えず医療費を100%負担することになってしまします。具体的には、出生の日から5日以内に「健康保険被扶養者異動届」を会社管轄の年金事務所(旧社会保険事務所)に提出して手続きをします。

従業員に提出を促すとともに、御社も手続きを早急にしなければ医療費負担について従業員に迷惑をかけることになりますので、注意が必要です。この手続き時にはいま従業員が持っている健康保険証も一緒に提出する必要があります。手続きが済めば保険証に子供の名前がはいりますが、保険料に変更はありません。

また、従業員の扶養家族が子供を出産した場合には「家族出産育児一時金請求書」も提出してもらいます。扶養家族が出産した、というのは夫が御社の従業員であり、妻を扶養家族に入れており、その妻が子供を出産した場合などです。

れは健康保険の、分娩にともなう給付の請求をするためです。家族出産育児一時金は、全国健康保険協会各都道府県支部か年金事務所に請求をします。請求をすると、家族出産育児一時金として、出生した子供1人につき390,000円が支給されます。ただし、産科医療補償制度に加入する医療機関等で扶養家族が出産した場合には420,000円が支給されます。ちなみに、家族出産育児一時金は、協会けんぽから出産育児一時金を医療機関等に直接支払う制度にかわっています。

3、従業員が出産をしたのかどうか

生まれた子供が従業員の扶養にはいるのかどうかにかかわらず、従業員本人が分娩して出産した場合には、「出産育児一時金請求書」と「出産手当金請求書」を提出してもらいます。これらは給与計算そのものの話ではないのですが、従業員のうけとるお金という意味で共通していますので、ここで説明しておきます。健康保険に加入している者が分娩をしたときに受けることのできる給付の請求のために全国健康保険協会各都道府県支部または年金事務所に提出して手続きをします。

出産育児一時金については手続きをしますと、出生児1人につき390,000円支給されます。もし、出産場所が産科医療補償制度に加入する医療機関等だった場合には420,000円が支給されます。ところで、この出産育児一時金は、協会けんぽから出産育児一時金を医療機関等に直接支払う制度にかわっていますが、直接支払いを望まない場合は事後請求をすることも可能です。

出産手当金については、本人が分娩のために会社を休んだ日数につき1日あたり標準報酬日額の3分の2が支給されます。支給期間は、分娩の日(分娩の日が分娩の予定日後の場合は、分娩の予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から分娩の日後56日までの間の期間です。

この日数について給与をもらえない分、出産手当金として上記の割合でお金が給付されるのです。ちなみに、例外があります。この期間についても御社から給与を支払っている場合には、手当金は支給されません。この例外にも例外があり、その分娩休業期間の給料の額が出産手当金より少ない場合には、その差額が支給されますので、やはり手続きが必要です。ですから、出産手当請求書には、「労務に服さない期間およびその期間の報酬の支払状況について会社の証明書」と分娩の事実を証明する「医師等の証明書」を添付して手続きをします。

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