給与計算ラボ

給与計算の方法、流れ

賞与(ボーナス)はいつ支給しますか?時期によるメリット、デメリット

賞与は給与と異なり、あくまでも業績に対する利益の分配金であり、支給の義務が法律で定められているわけではありません。賞与は一般的には、ボーナスとも呼ばれています。

賞与の支給時期は公務員のあとに一般企業

賞与は公務員と一般企業では、支給時期が異なっています。
公務員の場合、国家化公務員は法律で、地方公務員はその地方の条例で夏と冬の2回の賞与の支給日が定められています。一般企業の場合、賞与は夏と冬の2回の支給が一般的ですが、企業によっては1回の企業もあり、決算賞与を含めて3回という企業もあります。

日本では、昔からの慣習で賞与の支給は、公務員のあとに大企業、大企業のあとに中小企業という支給の順番がありました。その慣習から現在でも、公務員のあとに賞与を支給する一般企業が多いのです。

夏の賞与は6月から8月まで

国家公務員の場合、夏の賞与の支給日は6月10日です。地方公務員の場合、国家公務員にならい6月10日か、あるいは6月10日に近い日を条例で定めています。

一般企業の場合、公務員が賞与を支給されたあとに支給するのが一般的であり、時期的には7月に支給する企業が多いですが、8月に支給する企業もあり、具体的には、四半期の決算が終わった7月10日、15日、25日の支給が多く見られます。

冬の賞与は12月から1月まで

国家公務員の場合、冬の賞与の支給日は、12月10日です。地方公務員の場合、国家公務員にならい12月10日か、あるいは12月10日に近い日を条例で定めています。
一般企業の場合、12月上から年末にかけての賞与の支給が一般的ですが、1月に支給する企業もあります。最も多いのは12月10日、15日、25日、28日の支給です。

3月から4月には決算賞与も

決算賞与とは、通常の賞与とは異なり、決算時期の前後に支給する賞与です。企業が大きな利益を上げた場合、従業員に還元し、従業員のモチベーションを高めるためと、企業の節税対策のために支給します。

時期的には、年度末の決算時期の前後の3月下旬から4月上旬の支給が多く見られます。

賞与支給の時期によるメリット

賞与はどうしても支払わなくてはならいものではありませんが、支払うことによって以下のようなメリットがあります。

7月、12月支給で従業員のやる気を維持

7月、12月はお中元、お歳暮など何かと物入りな季節です。この時期に賞与を支給ことによって、暑くてだらけがちな夏の間の従業員のやる気と、忙しい年末に向けてのやる気を維持することができます。また、夏休みと年末年始を前に賞与が支給されるため、従業員は安心して夏と年末年始の計画を立てることができ、会社に対する信頼感が増します。

8月支給でお盆の稼働を確保

飲食業や接客業でお盆時期が稼ぎ時という企業の場合、お盆に従業員を働かせる代わりに、8月に賞与を支給することによって、従業員のモチベーションを維持しながら、お盆時期の稼働を確保することができます。

1月支給で年末年始の稼働を確保

年末年始も従業員を出勤させる必要がある場合、1月に賞与を支給することにより、年末年始の稼働を確保することができます。

期末決算に決算賞与を組み込み節税

大幅に利益が出た場合、当然、税金も高くなります。決算賞与は期末日までに支払っていればもちろん支払いが終わっていなくても、支払者すべてに支払うことを通知し、期末日の翌日から1か月以内に支払うならば、期末日において損金として計上することができ、節税することができます。

年度末に決算賞与を支払い従業員のモチベーションアップ

決算賞与は企業が大きく利益を上げていなければ、支払えない賞与ですから、企業の勢いを従業員に伝え、モチベーションアップを図ることがでます。また、月々の給与では反映しにくい評定差を従業員1人1人につけることができるため、より企業の業績に貢献している従業員のモチベーションアップができます。

賞与支給の時期によるデメリット

賞与には支払う時期によって以下のようなデメリットがあります。

従業員のもらい逃げを招きやすい7月、12月の賞与

退職を考えている従業員の場合、どうせ退職するなら賞与を支給されてから退職したいという気持ちがあるため、7月、12月の賞与の支給は、退職のトリガーになってしまいます。特に12月は、新年から新しい生活を始めたいと考える人が多いため、賞与をもらったその足で上司に退職を申し出る従業員が出がちです。

キャッシュフローの悪化を招く年度末の決算賞与

決算賞与が節税対策になるといっても、資本金1億円以下の企業の場合、法人税率は約35パーセントから22パーセント程度ですので、例えば、600万円の決算賞与を支給した場合、節税できるのは、210万円から132万円程度です。つまり節税額より、決算賞与として払う額のほうが大きくなります。1度決算賞与を従業員に支払うと、翌年も決算賞与を期待されてしまいますが、無理に決算賞与を支払うとキャッシュフローの悪化を招きかねません。

賞与の支給時期によるメリットとデメリットのまとめ

賞与の支給は時期によって、メリット、デメリットがあり、賞与のもらい逃げを招きがちな7月、12月支給も、多くの従業員にとってはモチベーションが上がるという効果もあります。それぞれの企業の業績や傾向からメリットとデメリットを勘案し、賞与の支給時期を決める必要があります。

カテゴリ

人気の記事

最新の記事

タグ一覧